蜜月
ほら、また二人を暴く月だよ
それはこの世の最果ての
暗く鄙びた宿のこと
狂おしいほど甘やかな
日々も終わりに近付いて
同じ床でも眠れずに
風の強さに脅されて
窓の外へと目をやれば
ほら、また二人を暴く月だよ
出会う順序の間違いを
科と名付けるものならば
二人の思い罪人は
逃げ惑うように求め合う
それでも悔いていないのと
青白い色に照らされた
あなたの頬に触れたなら
ほら、また想いを暴く月だよ
そしてあなたの夢を見る
夢の中でも寂しげに
漆黒の闇を指さして
先は行けぬと嘆いてた
時は光の砂になり
指の間をすり抜ける
残された粒は少ないと
ほら、また未来を暴く月だよ
ほら、また二人を
そして想いを
そして未来を
暴く月だよ
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