さのさ
救いの声は未だ聞こえず
されば自ら歌を唄うのみ
いゃさ、花びら舞い散って
いゃさ、荒波砕け散り
いゃさ、木の葉は風に揺れ
いゃさ、白雪降り積る
いゃあ、さのさのさのさのさのさ
さてもこの世は常ならず
天地のことはさらなれど
人の心もまた同じ
固き誓いも無駄なこと
二度とこの手を離すまじ
深く決めたと信じたが
不意に離れた闇の中
今はどこぞと知れぬ人
しばらく嘆いてみたものの
やがて心は移り行き
周りを見れば妖怪や
変幻同士の化かし合い
時の流れの濁流に
いずれ離さぬ手と知りながら
何故に進んで憎み会う
何故に進んで奪い会う
何故に進んで殺し会う
死んでも直らぬ阿呆ばかり
唄えや唄え、踊れや踊れ
やがて涙も渇く頃
ちょうど生命も終えるだろ
いゃさ、花びら舞い散って
いゃさ、荒波砕け散り
いゃさ、木の葉は風に揺れ
いゃさ、白雪降り積る
いゃあ、さのさのさのさのさのさ
いゃあ、さのさのさのさのさのさ
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