や!
いっそ部屋なんて
なければよかった
あなたと一晩中
走っていられた
「おやすみ」なんてあなたは手を振る
私も手を振って応えるけれど
気がついていないでしょう
瞳は笑ってないの
こぼれそうな涙
我慢しているの
心の中で小さな悲鳴が上がる
や!
まだ窓を閉めないで
地図にも載ってない
果てしない道に
迷い込めたならば
うれしかったのに
何もなかったようにアクセルを吹かす
エンジンの音が胸まで響く……
気がついていないでしょう
煙草の吸殻ひとつ
掌に盗んで
握り締めている
心の中で小さな悲鳴が上がる
や!
まだ視線切らないで
くつの朝、いくつの夜
過ごせばこの切なさから
解き放たれるの
心の中で小さな悲鳴が上がる
や!
まだ走り出さないで
心の中で小さな悲鳴が上がる
……や!
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